ありとあらゆる視覚障がい者が安心して歩行できますように・・・
こんにちは、身体障がい者(弱視&難聴)兼ITエンジニアのアッシャー木村です。
今後に期待したい技術の1つを紹介します。
点字ブロックを利用した道案内AIカメラ(仮)
まだ製品化はされていないので(仮)を付けました。その名の通り、カメラを付けて点字ブロックを読み取り道案内(ガイド)してくれるという技術です。
石川県金沢市と金沢工業大学にて新たな歩行サポートシステムの実証実験が先月行われました。
詳細を確認したい方は下記ニュースをご覧ください。
点字ブロックの“印”をAIカメラが読んで道案内! 「将来はポケモンGOみたいなこともできます」
点字ブロックは2種類ある
点字ブロックの正式名称は「視覚障害者用誘導ブロック」と言われています。皆様も2種類あるのを見たことがあると思います。
●誘導ブロック(線状ブロック)
「誘導ブロック」は、進行方向を示すブロックです。線が並んだ形状をしているため、「線状ブロック」とも呼ばれています。これは、視覚障害者がブロックの突起を足裏、あるいは白杖で確認しながら突起の方向にしたがって進むことができるように設置されています。
●警告ブロック(点状ブロック)
「警告ブロック」は、危険箇所や誘導対象施設等の位置を示すブロックです。点が並んでいる形状をしているため、「点状ブロック」とも呼ばれています。これは、文字通り注意すべき位置を示すブロックです。階段前、横断歩道前、誘導ブロックが交差する分岐点、案内板の前、障害物の前、駅のホームの端等に設置されています。
今回の技術では、この2種類の点字ブロックを利用します。
同じ点字ブロックでも昼夜や汚れ等があるので、それらを網羅した3000万パターンの画像登録しており、AIが瞬時に判断するものです。
その上で骨伝導ヘッドホンで道案内(音声ガイド)するという仕組みです。
歩行サポートシステムの課題
実証実験の結果から下記の課題が挙げられました。
・歩行中のガイドが出来ない(点字ブロックの認識が難しい)
・周囲の雑音から音声が聞き取りにくい
・音声再生のスピードを切り替えたい
これらの課題をみる限りでは、何れも解決出来そうな印象です。
歩行中の点字ブロック認識が一番どうするか試行錯誤する内容ですが、良い塩梅で対応してくれると期待しています。
現時点ではカメラを白杖だけでなくウェストポーチに取り付けて検証したようですが、ポーチの場合、体格差や身長差またはポーチの形状等によっても差異が生まれるため、より安定して読み取るためには白杖に固定した方が良いでしょうね。
歩行サポートシステムの今後に期待したいこと
現在ある点字ブロックとAIカメラとの融合は、是非とも実現して欲しいテクノロジーです。自分のような視覚障がいと聴覚障がいを併せ持つ人にも対応できるようにして欲しいです。
自分だけでなく高齢者の方にも同じ困り事があると言えますね。
今後、実現して欲しい機能として3つ挙げてみました。
・BlueTooth対応
⇒補聴器やイヤフォンで音声を聴くことが出来る
・音声ガイドの他に振動でもガイドする
⇒例えば、点字から離れる場合に振動で伝える
・点字ブロックがない場所でも対応可能にして欲しい
⇒仮想点字ブロックを作成してガイドする
3つ目のはまた別の技術が必要なので難しいですが、実現出来たら救われる視覚障がい者は多勢いると思います。
もっと先のことを言うならば、複合的な技術を包括して盲導犬のようなAIロボットで一括して対応出来たら・・・と切に願っています。