コウモリパイセンから
視覚に頼らない秘訣 を学ぶ!
こんにちは、身体障がい者(弱視・難聴)のアッシャー木村です。
コウモリパイセンから学びを得るべく、その凄ワザを一緒に見ていましょう。
コウモリは耳で世界を視る
コウモリは耳で視ることができます。
「耳で視る」とは
どういうことなのでしょうか・・・?
少し紐解いていきましょう。
超音波による反響定位(エコーロケーション)
反響定位(エコーロケーション)とは
まずはこの説明から
反響定位とは、動物が自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたもの(反響)を受信し、その方向と遅れによってぶつかってきたものの位置を知ることである。各方向からの反響を受信すれば、周囲のものと自分の距離および位置関係を知ることができる。したがって、音による感受法でありながら、音を聞くだけの受動的な聴覚よりも、むしろ視覚に近い役割を担っている。
光は伝達速度が速く、到達距離が長く、波長が短いので、素早く遠くから多量の情報を得るには適している。ただし、光が遠くまで届くのは空気中のことである。水中では、光は強く水に吸収されるので、100m先も見通せない。土中ではそもそも光は通らない。
夜や水中など、光が十分に利用できない条件下では、遠くの情報を得るのに音波が用いられる。音は水中では空中よりはるかに速く伝達する。空気中での音の伝達速度は340m/s程度だが、水中では1500m/s近くに達し、土中ではさらに速い。また、波長が短いほうが情報量は多いので、高い音ほど有用であり、人の可聴域以上の音、すなわち超音波が用いられることが多い。
人間が海洋で水深を測定するときも、音波が利用される。また、魚群探知機は、音波の反射によって魚の群れの位置を探す装置であり、その原理は反響定位そのものである。
引用元:反響定位 | Wikipedia
コウモリやイルカが超音波を発して障害物までの距離を測れるのです。しかもそれは視覚を塞いでも変わらず行動できるため、超音波を用いて聴覚で視覚を補っているのです。
では、この超音波を利用した技術ならば視覚障がい者にも転用できるのでは?
そのような疑問が湧いてきます。
人間が超音波で視ることが出来るのか?
超音波を用いた視覚障がい者向け機器6選
超音波に関わる視覚障がい者向け機器を調べて纏めてみました。中には既に製造販売していない物も含まれますのでご注意ください。
1.視覚障がい者の「目」になる超音波リストバンド「Sunu Band」
2017年8月に発売された「Sunu Band」は超音波を使って人の移動を支援するリストバンドだ。リストバンドから発せられた超音波の反射によって、ユーザーの周囲にある障害物を探知。バイブレーションのパターンによって、障害物までの距離を知らせる仕組みだ。
柵のようなラインをたどってユーザーの移動をナビゲートしたり、ドアや敷居などにつまづかないよう警告する機能も搭載。約4メートル先までの障害物を探知でき、スマホのアプリで探知する距離や感度をカスタマイズも可能だ。販売価格は249ドルで、日本からも購入できる。
引用元:超音波リストバンド
2.特殊カメラとスピーカー利用ウェアラブルデバイス「Sight」
Sightは、特殊カメラとスピーカーを搭載したウェアラブルデバイス。これまでも、視覚障害者が音の変化で障害物や進路を確認できるようにするといった個別のタスクに特化した研究は多くありましたが、Sightが目指すのは、
「室内を歩き回ってスマホを探す」
「財布からカードキーを探してドアを開ける」
「隣の友だちに話しかける」など、個別のタスクに留まらず、日々何気なく行っている連続した生活動作を、目が見えなくても自然に行えるようになること
3.電子式歩行補助具「パームソナー」
パームソナーは超音波を使った空間認知具で、白杖と併用することでより安全な動作判断が可能になります。
白杖は足下を確認する杖、パームソナーは空中を探る超音波ビームの杖となります。パームソナー本体を手のひらで握り、向けた先で障害物を察知すると、本体が振動します。歩行の際には、振動を感じた方向を避けて歩きます。
超音波ビームの長さは40センチから4メートルで、7段階の設定が可能。
防滴仕様の為、雨でもお使い頂けます。本製品は白杖の代わりにはなりません。必ず白杖もご使用下さい。
4.障害物を検知するウェアラブル端末「BuzzClip」
BuzzClipは、前方の障害物を超音波で検出するデバイス。丸みを帯びたネクタイピン程度の大きさで、衣服の胸元などに取り付けて使う。前方に邪魔な物がある場合は振動して教えてくれるので、衝突せず避けられる。
障害物として検出するのは、おおよそ腰から頭くらいの高さにある物体。この程度の位置にある物は杖で見つけられず、盲導犬も見逃すことがあるため、BuzzClipによって歩行時の安全が向上するという。
引用元:視覚障がい者の安全を確保する
5.超音波距離センサー「Proximity Hat」
Proximity hatは超音波距離センサーと圧力パッドを内蔵した帽子。使用者の歩行中、大きさ5 x 5 cm²の6つのセンサーが1秒間に50回、全水平方向に周辺空間を測定します。障害物を検知すると圧力スタンプが使用者の頭部を押して障害物の方向や距離を伝えることで歩行をアシストします。
音や振動により周辺状況を伝える歩行支援器具がこれまでに実用化されていますが、他の音や振動と区別がつきにくく使用者が混乱しやすいというデメリットがありました。圧力によって周辺状況を把握することができれば、聴覚をそのまま使え、より安全な歩行が可能となります。
引用元:視覚障害者用超音波距離センサ―
6.スマート電子白杖
秋田県立大学が超音波センサーの計測・解析システムを開発し、それを用いて検知距離特性、指向特性(検出できる範囲)、環境特性(気温、湿度、雨、防滴性)などの検討を行いました。
その結果、検出可能距離は1~3m、検知可能な最小物体は直径約5mm、指向特性は約40度など、実用化に要求される特性を満たしていることを確認しました。
また秋田精工株式会社では、秋田県立大学が開発した耐久試験システムを使用して、杖の部分に使用するアルミニウム合金材の疲労強度特性、ケース材の曲げ試験、圧電セラミックスの疲労強度特性などを検討し、250万回以上叩く使用に耐えることなども確認しました。
電源には一般に使用されているリチウム電池を採用し、通常の使用法で2~3ヵ月は継続使用が可能です。スイッチを入れた時の振動方法で電池の消耗状況が分かる工夫もされており、万一電池切れとなってもコンビニなどで入手できます。
まだ他にもあるかもしれませんが、6つ紹介しました。超音波を利用した技術はまだまだ発展途上で可能性がある分野だと私は考えています。
今後の最新テクノロジーも期待していきましょう!